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初飴

新しい年を迎え、気持ちも新たにスタートしました。沼澤歯科医院は今年もいろんなことに挑戦していきたいと思います。
さて、年明けの歯科医院ではとある現象が起きるのをご存知でしょうか。それは、銀歯や詰め物が取れたという患者さんが急激に増えるのです。「あ!私も過去に・・・」と、心当たりがある方もいらっしゃると思います。そうです、初詣や初市で売られている縁起物の“初飴”が原因なのです。
最近子供たちの間では、ハイチュウという低粘性のお菓子が流行っているせいかキャラメルで銀歯が取れたということが少なくなってきましたが、初飴はかなり手強い昔からの強敵なのです。しかも大人や子供の区別なく銀歯に襲いかかります。「すみませ~ん、初飴を噛んだら取れちゃいましたぁ」と照れくさそうに来院される大人の方も少なくありません。これまでにも、なんとか初飴対策を・・・と意気込んだ時期もありましたが、近ごろはこれも季節の風物詩だと考えるようになり、ひたすら銀歯を再装着する日々を過ごしております。
ところでみなさん“初飴”という文化・風習は山形特有のものだってご存知でしたか? 恥ずかしながら私は、全国的にあるものだと信じきっておりました。山形市の初市で旗飴(はたあめ)として売り出されたのが起源だったとは知らなかった・・・。ということは、全国の歯科医院で起こっているはずと思っていたこの時期に起きる現象は、山形の歯科界限定の特別なことだったわけです。
ということで、これからも「今年の初飴は美味しかった?」などとムダ話をしながら、 初飴で取れちゃった銀歯の再装着にせっせと勤しんで、山形の文化・風習を守り続けたいと思う年の初めでした。
今年もよろしくお願い申し上げます。

歯学博士  沼澤 孝典