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命がけのイチジク採り

今年は猛暑だったせいか、草木の成長がとても早いように感じます。
例年なら、9月に入ってからイチジクの収穫をするところですが、今年は8月下旬から野鳥がチュンチュン突ついておりました。気づいた頃には、真っ赤に熟した果肉を露出させたイチジクが、たくさんブラ下っていたのです。樹の周りには甘い香りが充満しています。
た、たいへん、これは大変です!
何が大変かって? 野鳥が突ついた完熟果実の発酵臭は、匂いに敏感なスズメバチを寄せつけてしまうからなのです。残暑というよりも、まだまだ真夏の猛暑である8月下旬の早朝、恐るおそる樹の様子を見に行ってみたら・・・あ~なんということでしょう、十数匹のスズメバチが地鳴りのような恐ろしい羽音でイチジクを貪っているではありませんか。ヒェェェェ~。キイロスズメバチだけではなくオオスズメバチまでいるなんて。ヤバイ、このままではスズメバチの巣になってしまうから!と覚悟を決め、殺虫スプレーを大量に買い込み、完全防備で挑みました。と言っても、白い帽子や服にタオルと手袋で露出ゼロにし、上からポンチョを被った程度の格好なのですが。左手に殺虫スプレーでスズメバチを追い払い、そのスキに右手でザラザラの葉を掻き分け、熟れた実を採り去り棄てる、という命がけの「イチジクの樹クリーン作戦」を実行したのでした。
猛暑の中での作業は大汗で困難を極め、一日に行える範囲も限られてくるので、スズメバチが来襲しなくなるまでには一週間ほどかかりました。
闘いのあとに採れたイチジクは、例年よりも美味しく感じられ、いつもよりたくさん食べました・・とさ。

歯学博士  沼澤 孝典