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ハンサム

私の幼少期、アラン・ドロンはハンサムの代名詞でした。
アラン・ドロンが俳優だという認識もなく「カッコいい男」の外国語だと思っていたのは私だけではないはずです。それだけに、今でいうイケメン俳優というような括りの人たちとは別次元の存在であったに違いありません。「ハンサム=イケメン俳優」かどうかの議論は置いておくとして、当時の印象としては「ハンサム=アラン・ドロン=二枚目」でありました。最高レベルのハンサムとして、太田裕美や榊原郁恵のヒット曲の歌詞にも登場してしまうくらいなのです。♪アラン・ドロンと僕を比べてぇ陽気に笑うキミが好ぅきだよぉ~♪“木綿のハンカチーフ”あぁ懐かしいなぁ・・・。
この度の新型コロナによるステイホームの際には、いろんな映画を観まくりました。昔は、映画館かテレビの放映でしか観ることが出来なかった映画ですが、今は観たいものを好きな時間に手軽に観ることが出来るのですね。NetflixやChromeCastなんて言葉さえ知らなかった私が、DVDを借りてこなくても家のテレビで映画を観られちゃう。ホントに便利な時代なんですね。
その中の1本として久しぶりに『太陽がいっぱい』を鑑賞しました。・・・太陽が眩しく降り注ぐ海辺のバーのテラス席。「シニョール・リプリー! テレーフォノ!」という電話の呼び出しに、憂いのある笑顔で応ずる主人公。・・・ラストシーンのなんとも言えない心のざわつきにアラン・ドロンの魅力を感じたものでした。アラン・ドロンは中年になってもハンサム度は増していて、私も将来こんな中年になりたいなぁと思っていました。そして中年になった今、思うことは勝手に出来ても、実現するのは難しいと、やっと気づいたこの頃です。

歯学博士  沼澤 孝典