先日「改正戸籍法」に関する新聞見出しが目に入りました。主には戸籍に読み仮名を付与するというものらしいです。いわゆる「キラキラネーム」と呼ばれるものの対策なんだそうです。そもそも戸籍には読み仮名が無かったのかさえ知らない人がほとんどではないでしょうか。
実は私、個人的には50年程前から戸籍に読み仮名がなくて苦労しておりました。「ヌマサワ」なのか「ヌマザワ」なのか、わが家の「sawa・zawa」問題です。濁点如きに振り回されてたまるか…なんていきがった時期もありましたが、今は「Numasawa」とZではなくSで落ち着いております。実家の新庄・舟形辺りでは言い易いためか「ヌマザワ」と呼ばれることがほとんどです。そのためなのか父はあるときはsawaだったり、とあるときはzawaだったりと使い分けており、よく言えばケースバイケース、はっきり言えばテキトーだったんです。そのせいで銀行口座の名義がsawaとzawaの読み仮名が混在することになったのに、昔の銀行は寛容というか平気だったみたいですね。今では名前が違うので振り込みが出来ないなんてことが起きちゃって、結構大きな問題になります。祖父が存命のころ確認のため直接訊いたことがあります。祖父は「sawa」との即答でした。ちょうどパスポートの更新時期だったようで、Numasawaと記載しているための即答だったみたいです。私もパスポートを作るようになってからはNumasawaと記載し、すべての書類の基にしております。戸籍よりもパスポートが基準になるなんてねぇ。
実は最近の大相撲の四股名もキラキラネームみたいなのが増えたような気がします。「翔猿(とびざる)」「阿武咲(おうのしょう)」「美ノ海(ちゅらのうみ)」「天空海(あくあ)」など番付表だけ見ても読めないものが結構あります。「光宙(ぴかちゅう)」「大空(すかい)」というキラキラネームも慣れてくれば読めるようになるかもしれませんが、人の名前は呼び間違えたくないので読み仮名はあった方が良いと思いますね。そのうち漢字検定にも「キラキラ漢字検定」なんて登場するのではないでしょうか。
歯学博士 沼澤 孝典