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冠婚葬祭の「婚」あれこれ

年齢とともに、婚礼にお招ばれするよりもお葬式に参列することの方が多くなってきました。私が子どもの頃の結婚式といえば、ほとんどが神式で行われており、神前にて誓いの盃として「三々九度」などがお決まりでしたね。それには巫女の代わりに小さな子どもが御神酒をお注ぎすることもあり、私も羽織袴で「チョン・チョン・チョン」なんて三献の儀の大役を何度かさせていただきました。その際にご祝儀をたくさん頂いた記憶はハッキリしているのですが、残念ながらどなたの婚礼だったかは全く覚えておりません。近ごろの結婚式では、神前や教会でもなく、シビルウェディング(人前式)というのも流行っているようで、時の流れを思いっきり感じてしまいます。 

先日、知人ご子息のご結婚披露宴にお招ばれしまして、老舗料亭でのそれは豪華で和やかなものであり、ご両人の笑顔が素敵なとても良い会でした。料亭ウェディングというのに出席したのは初めてでしたが、昭和の初めは和式の宴会場しかなかったでしょうから、これこそ日本古来の形式だったのでしょう。昔との違いは、御膳に座布団ではなくテーブルに椅子の形式であり、現代を象徴している変化の一つだと感じました。それにしても「The 和」を堪能した素晴らしい会でした。 

その二か月後、今度は姪っ子の結婚式が東京のホテルでありました。新郎新婦が全てプロデュースし、御仲人も主賓も来賓もゼロで、参加者は友人と近しい親族のみ。特に現代的だなと感じたのは「お酒を注ぐ」という慣習が全く無いんです。私たちの結婚式の時分は、新郎新婦の雛壇にはビール注ぎ挨拶の行列が出来、真っ赤な顔した新郎が次々と酒盃を受ける儀式のようでしたが、今は記念写真の順番待ち行列なんですよね。これはこれで和やかで楽しいものでした。 

何はともあれ、個人的に「葬」続きだったのが「婚」が続いて目出度し目出度しです。 

歯学博士 沼澤 孝典