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石焼~きいも~♪

日本人は行列が好きという訳ではないのでしょうが、各所で行列を目にすること
があります。「ま、みんなが並んでいるんだから私が並んでもおかしくないよね」というような心理が働いているのだとか。周りの意見や行動にあわせて自分も同じような行動をしてしまうことを同調行動と言いますが、誰かが美味しいと言っていたからこのお店の料理はきっと美味しいだろう→だから行列が出来ているんだ→美味しいものを食べるためなので仕方がない→列に並んでしまおう。これが日本的と言えば日本人的な感覚なのでしょうか。

先日、娘が友だちと二人で神宮外苑のイチョウ並木を散歩していた時のことです。見事な黄金の絨毯と、抜けるような青空のコントラストに「わぁ奇麗!」などとキャッキャ言いながら歩いていたそうです。しばらく行くと道の真ん中にポツンと焼き芋屋さんの屋台が現れたそうで、思わず「美味しそー!」と声に出してしまったとのこと。しかも誰もお客がいないお店。お金もないしバツが悪くて立ち去ろうとしたその時、店主が「お姉ちゃんたちコレ食べなよ」って焼いもをぽっくりと2つに割って「その代わりここの脇で食べてね」と差し出してきたそうです。「えぇ~良いんですかぁ?」と言いながらもしっかり受け取り「美味しいねぇ~」とモグモグ頂戴したんだと。「ご馳走さま」と食べ終わった頃には、屋台には6~7人の行列が出来ていたらしく、いわゆるサクラをさせられていたわけで、おっちゃんヤルなぁと笑っていました。まぁ、美味しかったのだから、サクラというより宣伝のお手伝いをしてご褒美に焼いもをご馳走になったということでしょう。娘たちの秋は深まるばかりです。

歯学博士 沼澤 孝典