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白い歯

「芸能人は歯が命」なんてCMが流行ったのは何年前でしょうか。
芸能人ではなくても歯が大切なのはご存知のとおりですし、現在では白い歯が好んで求められるのも事実です。江戸時代末期までは、「お歯黒」という歯を黒く染める風習がありました。既婚女性の印でもあったといわれるお歯黒ですが、歯のエナメル質を染めるというのは並大抵のことではなかったようで、結婚を機に夫に対する貞節の印としての意味があったとか。流行のファッションでもあったようで、黒い歯に女性の色気を感じるという書物もあったようです。また、染料の成分にはむし歯予防の効果があったことも判っており、お歯黒は美と健康を兼ねた一石二鳥の風習だったのですね。今ではとても考えられないファッションです。現在では、ホワイトニングの技術も日々進化し、様々な症例に対してのアプローチが出来るようになりましたので、簡単に白い歯を手に入れることが出来るようになりました。
ところで、白い歯といっても世の中には様々な白があるのはご存知でしょうか? 欧米人の歯の白さと、私たち日本人の歯の白さは色の系統が違うのです。
ですから、欧米人用の白い歯を我々日本人の口に入れたとすると、とても違和感が生じてしまいます。 代表例として、数年前にメジャーから日本球界に戻ってきた大人気の野球選手がいらっしゃいました。笑顔はとても素敵なのですが、欧米人のような白い歯に違和感を覚えた方は少なくないと思います。
さて、白い歯を得るには、人工物でのホワイトニングだけでしょうか?いいえ、そんなことはありません。健康で白い歯は、毎日のお手入れと定期的なメインテナンスで手に入れることが出来るのです。
さぁ、今からでもご自分の白い歯を!

               歯学博士  沼澤 孝典