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年ごろ

「最近涙もろくなった」という話を耳にすることが多くなった気がします。自分の周りにそんな人が多いだけなのか、それともそんな年ごろなのでしょうか。
残念ながら私は、これは絶対号泣するよと薦められた映画を観ても、ふぅ~んという感じでしかなく、感情のスイッチがいかれてしまったのかと自分を疑います。
そんな私の場合、涙なんかより鼻水がもろくなりました。冬場などは暖かい診療室から寒い院長室との往復をするだけで、鼻からツーっと水が垂れてきます。花粉症じゃないの?とよく言われるのですが、窓を開けてるわけでもないし、目が痒いわけでもないので、自分では花粉症ではないと思っています。それでも鼻の奥がムズムズするので、鼻粘膜の過敏症とかだとは思うのですが、それでも花粉症ではないと頑なに信じているのです。自分自身に言い聞かせているだけなのかもしれませんがね。
いやぁそれにしても鼻水もろくなると、箱ティッシュが片時も離せなくなりますね。というか周囲各所に置いてあります。最近は鼻のかみ方も巧くなったもので、どんなにティッシュを使っても鼻の下がヒリヒリしなくなりました。ちょっとしたコツがあるのですが「美しい鼻のかみ方」なんて特集でも出そうかしら。
話を涙に戻しましょう。
自分の感情のポイントがズレているのではないかと心配になったので、先にも話した“絶対号泣の映画”を受付の優子さんにも観てもらうことにしました。果たして私だけが涙しないのかどうかを確認するために。
すると鑑賞後の優子さんは「どこが号泣ポイントなんですかね」と言い切り、周りの人たちが涙もろくなっただけだと結論づけていただき、私との冷徹人間コミュニケーションを確認し合ったのでした。
そんな優子さんも私も、「火垂るの墓」だけは何故だか目から水が溢れ出て止まらなくなります。それって年ごろなのかしら。

歯学博士 沼澤 孝典