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ところ変われば

新しい年を迎え、柄にもなく未来に想いを馳せたりして、近い将来は宇宙旅行を手軽に楽しむ時代が来るんだろうな・・なんて考えてました。もしもそんなとき、むし歯になったらどうするのでしょうね?
では、宇宙飛行士はどうしているのでしょうか。当然、事前のメディカルチェックはとても厳しいモノであるはずで、むし歯があったら宇宙飛行士にさえなれないことは容易に想像がつきます。毛利衛さんは95年選抜の不合格通知の中に“治療を要する歯がある”とのコメントがついてきたとか。その後むし歯の治療を受けて、みなさんご存知のように宇宙に飛び立ちました。
では、なぜむし歯があってはダメなのかというと、船外活動をする際の宇宙服の中は0.3気圧しかないのだそうです。気圧が低いと、相対的に歯の中の圧が高まり、地上での痛みの感じ方よりも数倍の痛みになるので、相当な激痛が予想されるからです。では、もしも宇宙でむし歯が疼いたら・・・? 無重力の中で削ったり詰めたりといった治療行為は、水や削片を飛散させてしまうのでNGらしく、治療が出来ないから歯を抜いてしまうのだそうです。そのために、宇宙飛行士は抜歯の技術訓練も受けているとか。
宇宙とはレベルが違うでしょうけれども、飛行機の中も上空では0.8気圧に減圧されているので、炎症などがあれば疼いたりするのはそのためです。離着陸前後の機内気圧調整で、疼いた経験がある方も多いのでは?そのためパイロットやCAはむし歯があったら搭乗できないこともあるそうです。
ところ変われば歯に対するケアも変わってくるということですね。
何はともあれ、健康第一です。

歯学博士  沼澤 孝典