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むし歯のはなし

「むし歯」とはよく言ったもので、その昔、虫が歯に穴を開けると考えられている時代があった。たしかにむし歯は細菌によって歯の表面が融かされていく病気であるのであながち間違いではないのだが。今でも小さな子どもには、歯に穴を開ける「虫」の存在がむし歯をアピールしやすいのも事実だ。 個人的には、ヘルメットを頭にかぶり、つるはしとスコップを持ってせっせと穴を開ける“むしバイキン”が好きだ。“むしバイキン”が好きな歯医者なんてあり得ないかもしれないが、まぁ世の中に一人くらいいてもいいじゃないかと思うのだ。もちろん“むしバイキン”のキャラクターが好きなんだけどね。

小さな子どもは、“むしバイキン”をイメージするととても協力的になる。
「歯のところに虫さんがいるからお水でキレイに洗っちゃおうね」というと、シッカリ口を開けてくれる。ウソをついている訳ではないし、「歯を削るよ~」なんて言うよりとても効果的である。 私にとっては“むしバイキン”様様である。
6月4日は「むし歯予防デー」。 沼澤歯科医院に通っていらっしゃるみなさんには、“むしバイキン”と仲良くならないように一緒に戦っていきましょうね。

歯学博士 沼澤 孝典